『卵子老化の真実』を読んで

人に奨められて河合蘭氏の本書を読みました。

「かわいらんし」・・・。

「らんしが卵子の本を書いた~」とか小学生が好きそうなジョーク、きっと言われたことあるんだろうなぁ( *´艸`)

内容はいたってマジメです。

正直言って、かなり以前に読んでどうまとめようか迷ってズルズルと今の今まで大事に取っておきました(^-^;

「女性が書いている」という私の期待をよい意味で裏切り、冷静に、でもなんとか赤ちゃんを望む人々を応援したいという著者の思いをにじませながら、調査にもとづく事実が淡々と書かれています。

まとめるというより、私が印象に残ったことをお伝えしたいと思います。

多角的に取材を重ね、そこから見るか!という視点にはっと息を飲まされる、そんな感覚に何度かさせられる本でした。

1ページの記述です。
「仕事が一人前になり、恋愛もして、結婚もする。
今の日本ではこれをクリアーしなければ、産めないと考えらえていますが、身体は、いつまでそれを待ってくれるでしょうか。」

平均的なところに納まっていることに安心する私はまさにその通りでした。
2,30代はそもそも赤ちゃんに恵まれるような生活をしていませんでしたが、冒頭にあるような意識に支配され、自分からその状況から逃げていた、という方が正解です、今思えば。

確かに日本は学生結婚、ましては学生での出産は好まれませんよね。
欧米では勉強も仕事はいつでもできるという考えが根付いていますから、何歳でも好きなことを始めるし、年齢に捉われない生き方をしている人が多い。

20代の頃にアメリカで学生をしましたが、年齢を聞かれたこともないし生き方に関してあれこれと言う人は誰もいない。実際、兵役を終えて学生に戻ったり、仕事をしながら夜のクラスを受けている人がわんさかいてその自由さに爽快さを覚えました。
赤ちゃんを産んでも落ち着いてから大学はまた行けばいい、という選択肢も特別ではないのです。

ところが、日本に帰ってくると「今、何歳?」と意味もなく聞かれたり、テレビで芸能人の年齢をいちいち名前の横に書いてあるのに違和感を感じました。「〇才だから〇しなきゃ」みたいな見えないプレッシャーを感じるのですよね。
では、「30才で赤ちゃんを望むならすぐに取り組むべきだ」という医学的にとても大事なことが浸透しているかというとそうでもない。

海外の先進国のよい点をもうひとつ挙げると、不妊の最大の理由が「老化」であることをいろんなメディアを駆使して宣伝している点です。本書にも出てきますが、「日本の体外受精の妊娠率は50か国中45位」の理由がここにあります。いわゆる体外受精や顕微授精の技術力は高くても、卵子の老化には手も足も出せないのです。
そこにアプローチするのが栄養療法なのですが、もっと多くのひとにこの選択肢を知ってほしいと痛切に思います。

ところが、古い統計と現代を見比べてみると、昔の女性のほうが生殖機能は強くて遅くまで出産できた、とあります。多産時代の子宮は血液循環がよかったそうです。だから一度出産すると妊娠しやすいのですね。また、私はそれ以外にも理由はあると思っていますが、話がそれまくるのでまた近いうちに書こうと思います。

本書中盤でNIPTというダウン症などの染色体異常を判定する新しい検査についても詳しく書かれていました。

私が妊娠した時にはNIPTという血液検査で精度の高い検査はまだ世に出ておらず、クアトロマーカーという精度の低い血液検査と流産のリスクのある羊水検査の組み合わせでした。クアトロマーカーではよくわからないし、羊水検査は間違いなくダウン症かどうか分かるけど、0.2%確率で流産する・・・。

私は悩みに悩んで結局どの検査も受けませんでした。
どんな子でも私と主人の分身。遺伝子に多少違いがあったとしても命を奪われる理由には及ばないと思ったからです。
主人も同意してくれました。
彼はとても慎重で、危ない橋は渡らない派ですが、やはり相当な思いを抱えていたに違いありません。

でもきれいごとばかりでは考えられるほど若くもありませんでした。
自分のキャリアどころか生活自体が一変するこの決断を、よくも数週間のうちに(堕胎できる時期は限られている)乗り越えたなと思い返します。だから産まれて顔を見るまでは本当にドキドキでした。
20歳で産めば何千分かの一の確率ですが、39歳だと確か40分の一と聞いていました。
当時の高齢出産は心臓にも悪かったのです(^-^;

ところが、出産翌日に敗血症で死にかけさせるという大失態に至ります。心配するところが的外れな結果となりました。
初産婦の場合、たとえ自然妊娠であっても、微弱陣痛などを経て帝王切開に至るケースが多いようです。
最初から帝王切開もしくは早めに切り替えていたら、赤ちゃんに細菌で汚れた羊水を飲ませることなどなかったかもしれません。
妊娠時に何事もなく過ごしたからといって、なめたらあかんのですね。

こんな私に耳の痛い、いや目の痛い(?)教訓として「高齢出産全体のリスクよりも自分個人のリスクを正しく把握する」考え方が大事だそうです。

つまり、高齢出産でも慢性疾患などの医学的な問題のない女性、特に経産婦にとっては、従来考えられていたよりもリスクがかなり低い、ということが分かってきたようです。
「高齢出産年齢は生活習慣病年齢」とも言えます。
常日頃から健康でいることが何より大事なのですね。

そして、最後に激しく同意したのは、「高齢出産の子育ては感動が深い。長く忘れていた子ども時代を追体験できる」という点です。

長く会社員生活を送っていると、仕事の内容は日々変わったとしても、生活自体は平坦で飽きていました。子どものいる生活は、自分の子どもの時の遊びやら運動会などの学校行事などのイベントを思い出させてくれて、しかも40年ものジェネレーションギャップがあるので比較しながら楽しむこともできます。
ショッピングモールで駄菓子屋さんを見つけるとつい入ってしまう感覚に似ているでしょうか。

あ、そうそう、ちょっと驚いたのはファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんが登場してきたこと。
あるイベントで知り合い、Facebookでもつながってはいますが、もう私のことは覚えていないだろうなぁ。

彼女が指摘する「元キャリア女性が陥りがちなパターン」とは、ずっと仕事ばかりの人生だったので、これからは家庭中心のゆとりを大切にしたいと思い、超早期退職をするような感覚で仕事を辞めてしまうケースが少なくないと。
でも、お金を使う生活が身についているので、子育ても住宅も高いものを購入してしまい、住宅ローンや学費といった固定費で圧迫される生活になるのがパターンなのだと・・・。

・・・あたしかよ。

キャリア女性とは思わないですが、まあ長いこと勤めちゃったわけだからあたしのことだよね、バブル世代だし。
ああ、私が退職する前にこの本書かれているわ。早く出会いたかった、この本に。今更だけど。

はい、頑張って稼ぎます。

皆様協力してくださいませm(__)m 笑