『卵子はよみがえる「不妊治療」の先の真実』小杉好紀 著を読んで その2

さて、小杉先生の幅の広さはここからです。
小杉先生は幹細胞が新たな治療法を開くという期待をお持ちのようで、iPS細胞やSTAP細胞の卵子関連の実験をウォッチしているそうです。確かにiPS細胞から卵子が作れたらすごいことですね。「卵子の老化」という言葉も死語になる時代が来るのでしょうか。

技術革新に目を向けながらも、抑うつ状態になりがちな患者さんの心理ケアが非常に重要だと認識されています。
心のケアを同時に行うことで、体外受精の成功率が25%から52%に上昇したという報告をした米国の心理学者の例を挙げ、緊張状態が生殖機能を抑制することを理論的に説明してくれています。

読み進めていくと、「エピジェネティクス」、「採血検査結果を読み解きビタミンを有効活用」、「高濃度ビタミンCの点滴」「DNAのメチル基」「SAMe/5HTP」という言葉がポンポン飛び出てきます。しまいには、分子栄養学の偉大な父であるライナス・ポーリング博士が医学界から受けた迫害の話まで!
さらには、あまり知られていませんが、ライナス・ポーリング博士は50年前にすでに麻酔の作用を解明していました。
これも知られていませんが、実は麻酔の作用機序は一般的に今でも知られていないようです。分娩時に全身麻酔してほしいなんて馬鹿なことをつぶやいたものだと我ながら猛省します(^-^;。ポーリング博士の直接のお弟子さんであった金子雅俊氏から「珍しい話」としてその話を聞きましたが、まさかたまたま借りた本からこんなに分子栄養学に造詣の深いお医者さんに出くわすとは想定外でした。

今でもたいていのお医者さんは分子栄養学のことをご存知ありませんし、かいつまんで説明したとしてもなかなか受け入れがたい方が多いようです。前述の金子氏は「コップに水がいっぱいだとそれ以上は入らない」と例えます。少なくとも十数年、人によっては半世紀ものあいだ勉強してきたことをひっくり返すのは、確かに勇気がいることだと思います。
何か違うぞ・・・とコップの水が枯渇してきた人の耳にだけ届くものなのかもしれません。

しかしながら、この小杉医師は、幹細胞、遺伝子、栄養療法、心理ケア、果ては人生観まで教示してくれる、頭の柔らかい、患者さん本位の素晴らしい医師なのだと思います。事実にもとづけば栄養療法が選択されることを裏付けられたようでうれしくなりました。

と、今回で閉めたいと思いましたが、やはりこの本の情報量はすごい。
まだお伝えしたいことがたくさんあるので、次回に続きます。